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Channel: オーボエ奏者 渡辺克也のベルリン便り
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オーケストラの中で演奏できて本当に幸せ

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   2010年最後の仕事は、ベルリンのすぐお隣の町ポツダムでのジルヴェスター・コンサートで、ベートーヴェンの7番のシンフォニーとシューマンの2番のシンフォニーというプログラムでした。シューマンの2番というのは大好きな曲の一つで、「オーケストラの中で演奏できて本当に幸せだ。」と思えたひと時でした。リヒャルト・シュトラウス「薔薇の騎士」全曲演奏時然り、ヴァーグナー「指輪」全曲演奏時然り、ソロ活動では味わえないまた別の喜びの世界です。新年も健康で、ソロ活動中心に、オーケストラのお仕事も沢山させて頂いて…という事が続けられますように。
   終演後楽屋で着替えていると、首席ビオラ奏者に背後から、「今日のお前の演奏は、最初の音から最後の音まで実に素晴らしかった。」と声をかけられました。嬉しいところですが、ここで「どうもありがとう。」なんて素直に言ってしまうのはまだまだ洟垂れ小僧です。最近はようやく大人になりまして、「Das war extra für Dich! (貴方の為に特別に頑張ったんですよ!)」なんていう冗談がすぐに出てくるようになりました。
 
   2010年12月の産経新聞のコラム「渡辺克也のベルリン音楽旅行」です。
 
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よく響く高~い天井

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   まず今回の産経新聞の私のコラム「渡辺克也のベルリン音楽旅行」
です。

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   掲載された直後に、こんなコンサートの依頼が舞い込んできました。

2月23日19時
ベルリン博物館島(ベルリン中心部の中州です。)の旧博物館 
古代ギリシャのアンティークコレクション・オープニングセレモニー
オーボエ伴奏無しのアカペラ
政治文化関係要人、各国大使等招待客のみのクローズド

   その会場の写真をご覧ください。予知?デジャヴ??念ずれば通ず???どれも少し違うような気がしますが、とにかくよく響く高~い天井です。
 
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   もし上のドーム部分の半球を延長して大きな球にしたら、銅像が置いてある場所で丁度床に接することになるという、こだわりの寸法による特別な設計なんだそうです。こういう理屈っぽいのがドイツ人は好きなんですねえ。独特の共鳴の仕方の関係で立ち位置によって音の響き方が驚くほど違うので、必ず試奏に来てくださいということです。古代ギリシャのアンティ-クコレクションということで、ギリシャの神々に関連付けてブリテンの「オヴィデウスによる6つの変容」にするか、芸術の力強さに対抗すべくバッハの無伴奏パルティータにするか、現場で試奏してみて決めます。2月8日午前10時開館前の9時に入場しての打ち合わせ、楽しみです。
 
P.S.
  たった今打ち合わせから帰ってきました。ど真ん中(銅像は今日はありませんでした。)で演奏すると共鳴して大音響になりますので、立ち位置としてここは避けなければなりません。ブリテン、バッハとも担当のケストナーさんという女性は大喜びしてくれましたので、ひとまず安心です。どのような「古代ギリシャのアンティ-クコレクション」なのか知らないで演奏するのはよろしくないのでは・・・、などと申し上げましたら、直々の個人ガイド付で見せてくださいました。素晴らしい芸術を前にして、思わず「人類ってなんて偉大なのでしょう!」というセリフが口から出ました。

遠く離れて愛する故郷

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  今回の東日本巨大地震・津波災害でお亡くなりになられた方々と被災された皆様に、心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。
 
  遠く離れて愛する故郷の、目を覆うばかりの惨状に、呆然とするのみで言葉もございません。東北方面の親戚宅で壁や瓦が崩れたり、食器棚が全滅したりしたものの、皆無事でした。しかし、地震から3日間日本の家族に電話が全く通じず、気を揉みました。

  ドイツ版 CNN の n-tv や N24 では地震関連のニュースのみでぶっ通しでしたし、インターネットでNHKニュースなども見ました。両国の報道の仕方が多少違いまして、おそらく足して2で割ったあたりが正しい情報だったのでしょう。

  ドイツは反原子力発電の意識がもの凄く高い国で、2000年に「原子力発電からの脱却」が決定されました。その後政権が代わったり、二酸化炭素排出量削減のためもあり撤回されたかのように見えましたが、ここにきて世論がそれ見たことかと完全に反原子力発電一色に染まりましたので、メアケル首相も慌てて「原子力発電は、次世代の安全なエネルギーが開発されるまでのつなぎのエネルギーです。」と、改めて強調しました。技術上あり得ないのに「古い型の原子力発電所は今日にも止めます。」とまで言わなかったら、政権が転覆していたかもしれません。先日のバーデン・ヴュルテンベルク州議会議員選挙では普段は10%に満たない緑の党が大躍進して約25%を獲得、なんと驚くべきことに緑の党の州首相が誕生しました。

  事故が起こると手がつけられなくなる原発の恐ろしさ、福島第一原発で思い知らされました。日本人の叡智を結集して、もうこれ以上被害が拡大しないまま事故処理が一日も早く完結することを、祈ってやみません。

  同時に何本もの列車が最高時速300キロで運転されていた東北新幹線で、早期地震検知システムによる非常ブレーキのお蔭で一両も脱線しなかったなんて、日本人の叡智の誇るべき結果ではありませんか!

  さて、3月の産経新聞のコラム「渡辺克也のベルリン音楽旅行」をご覧ください。今回のコラム、大阪版には掲載されましたが、東京版では地震関連のニュースのため休載になりました。
 
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私にとってかけがえのない音楽の栄養

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   私は今、ソリスツ・ヨーロピアンズ・ルクセンブルクについて長編の原稿を書いています。書き上げて、今回の産経新聞のコラム「ベルリン音楽旅行」と併せて当ブログにてご紹介させて頂こうと、思っていました。内容的に重なるからです。ところが書きたいことばかりで内容が膨らみ過ぎ、まとめるのが大変になってしまい、締め切りをとっくに過ぎていますのにまだ完成していません。  
  
   若い管打楽器奏者の登竜門として絶対的権威を誇る日本管打楽器コンクールの主催者、日本音楽文化教育振興会からの依頼です。今年のオーボエ部門審査委員長を仰せつかりました関係で、HPにアップされます。理事長の赤松憲樹様、遅延すみません。この方の日本管打楽器界の啓蒙という理念が具現化されたのが、日本管打楽器コンクールであります。このような方がいらして今日の音楽界が成り立っているのだなあと、お話を伺うたびに感服致します。
 
 この原稿がアップされました暁には、皆様に改めてお知らせさせて頂きます
 
 という訳で今回は、産経新聞のコラム「ベルリン音楽旅行」単独になりました。私にとってかけがえのない音楽の栄養でありますソリスツ・ヨーロピアンズ・ルクセンブルクで、私が魂を揺さぶられた名手の話です。こちらの方は、なんと1日で一気に書き上げてしまいました。
 
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練習のいろいろ

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   『朝練』 もともと中学や高校部活動の学校始業前にする練習を指しますが、広義には朝早起きしてする練習と捉えられます。体、脳、神経ともに新鮮で最も効率が上がる時間帯ですから、多くの大演奏家が実践してきました。
 
   『夜練』 一般家屋では、周囲のご理解を頂きながら最遅でせいぜい21時あるいは22時までが、練習可能限度のようです。それに対して、24時間練習できる環境の恩恵を享受できる幸せな演奏家も中にはいます。ただ結果的には、夜中の2時3時まで練習するよりは、前述の朝練の方がより効果を期待できるようであります。
 
   『コソ練』 一般的に、演奏家は様々な理由により自分が練習している音を他人に聞かれたくないと思っています。そこで誰もいない場所に移動して、こっそり練習します。秘密の練習法を隠すための手段ではないかと勘ぐりたくなりますが、ほとんどの場合、ただほっといてもらいたいだけのようです。誰かが必死で練習するのを傍で聞いていると、思わず茶々を入れてみたくなりますもの。
 
   『フケ練』 授業始めに出席の確認が済んだ後、教師が黒板に書いている隙にゴキブリのように床を這って教室から脱出してまで敢行する練習です。語源は「授業をフケる」に由来します。稀に後でお目玉を喰らう可能性がありますから、上手な言い訳を考えておくのが得策でしょう。
 
   『外練』 屋外で練習しますと、響きのイメージ空間が無限大であること、残響がゼロに近いこと等、その練習効率については賛否両論ありますが、根性だけは間違いなくつくようです。ちなみにフルートの場合、前方から風が吹いてくると発音できなくなりますので、無風が条件です。
 
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ビンゴー!

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   ドイツの日本人相手の旅行会社では、日本では買うことのできない「里帰り便」というドイツ発日本までの往復航空券を、入手できます。同じ航空会社のホームページで買うと預ける荷物は23kgまでですが、故郷まで往復する日本人のニーズに応えて旅行会社が交渉してくれた結果、30kgまでOKです。これは非常にありがたいことで、日本に里帰りした後ドイツに向かうのトランクに、日本食材をたっぷりと詰め込めます。今回のも100%日本食材です。2009年1月パリ・シャルルドゴール空港ういろう事件(セキュリティー・チェックで警備員に笹の葉にくるまれていたういろうを疑われ、笹の葉を剥がされういろうを汚い指で直接グイッと圧されたので、渡辺が怒り狂った)以来、食材はすべてトランクに入れて預けることにいたしました。自宅を出る前に、体重計に乗せ、おおむね30kgチョイくらいに詰めます。1~2kgオーヴァーは、おまけしてくれるからです。
 
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   そしたら…見てください。成田空港某航空会社のチェックインカウンターです。私のバナナ色のサムソナイト、今回はなんとピッタリ30.0kgでした!こんなの初めてです。カウンターのお姉さんも珍しがっていました。ビジネスクラスやファーストクラスにアップグレードなんていうビンゴ賞は無いんですか?と、ひょっとしてと思い聞いてみましたが、やっぱり駄目でした。
 
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あ、私もこれ欲しい!

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   6月25日、ソリスツ・ヨーロピアンズ・ルクセンブルク演奏旅行の、バス車中のスナップです。この日は、このオーケストラの誕生日1989年7月1日に最初のコンサートが開かれた、南ドイツのオットーボイレンに、向かっていました。晩にコンサートですから、バスの中で睡眠をとっておきます。アイマスクの人物は、パリから来ている首席ヴィオラ奏者の Jean Dupouy です。描いてあるこの眼は日本人離れしていますから私には使えませんが、どなたか日本人仕様の品をご存知でしたら、御一報くださいますようお願いいたします。
 
   そして背後に小さく顔が見えますのが、ソリスツ・ヨーロピアンズ・ルクセンブルクのフランス人事務局員アンです。朝7時半から17時ころまで働いています。この楽団はオーケストラ事務局も素晴らしく、ドイツによくある仕事が遅い上に「楽員を管理したがる」事務局→楽員のモチベーション低下、という図式でではなく、楽員が安心して気持ち良く演奏に打ち込める環境を整えてくれます。連絡事項、質問など、迅速且つ完璧にこなしますのに、自分がミスを犯すのではないか、といつも恐れています。フランス人にもこういう人がいるんですねえ。ちなみにワインとチーズが嫌いで、ルクセンブルクの日本レストランで食べられるたこ焼きが、大好物なんだそうです。
 
   今回の産経新聞のコラム「ベルリン音楽旅行」には、このアンが登場します。
 
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   さて、お知らせです。名古屋に隣接します稲沢での、バロックオーボエ協奏曲のコンサートが決まりました。私のバロックは、ドラマチック、迫力満点で、お腹が一杯になります。しかもこのコンサートは、整理券を申し込み頂ければ、無料でお聞きになれます。まだ残券ありますので、是非お申し込みくださいね。
 
「バロックの輝き 渡辺克也オーボエ協奏曲の調べ」
9月23日(金)14時開演
稲沢市民会館大ホール(愛知県)
渡辺克也 オーボエ
セントラル愛知交響楽団
※入場無料≪要お申込み≫
※お申込み方法
往復はがきに郵便番号、住所、氏名(返信用にも)、年齢、電話、希望人数を記入し、以下へ送付。
〒460-8511
名古屋市中区三の丸1-6-1
中日新聞社文化事業部「渡辺克也オーボエとバロックの調べ」係。
1枚につき2名様まで申込可。
問:中日新聞文化事業部 052-201-3766
 

私の朝食

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   早朝5:15、ルクセンブルク・パークプラザホテルの私の部屋に明かりが灯ります。シャワーも浴びずに、楽器、楽譜、メトロノーム、水筒を昨夜詰めたリュックサックを持ち、別棟にあるバンケットルームに向かいます。この別棟が5:30にならないと開かないため、それより早く起きても駄目なのです。5:35、朝練開始!
 
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   ヨーロッパ各地からの腕利き集団であるソリスツ・ヨーロピアンズ・ルクセンブルクですから、練習好きな猛者ばかりなのですが、さすがにこの時間に起きてくる者は皆無で、7:35まで2時間、一人で充実した朝練ができます。オーケストラの練習がある10:00から13:00迄と18:00から21:00迄以外の自由時間、昼間はほかの人に譲り、私は昼寝を決め込みます。
  
   さて、この時間帯に2時間練習すると猛烈に腹が空き、しかも練習しながら朝の水分補給はできていますから(最後の30分くらいは空腹を満たすために水を飲んでいるみたいなモンですが)、朝食バイキングに対する準備は万端整いました。この別棟は宿泊関係とは分けられていて、バンケットルームとレストランが併設されています。よって、楽器をしまってから朝食バイキングのレストランまでは、30秒で到達できるのです。
 
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   これが私の朝食です。ダージリン紅茶、スモークサーモン、クロワッサン、カマンベール、ポテトパンケーキ、これに後でヨーグルトとフルーツサラダが加わる訳ですが、あれえっ、赤ワインも見えますねえ。そう、ここの朝食バイキングには、赤ワインとシャンパンも出るのです。早朝朝練に対する、ささやかなご褒美です。朝食後にシャワーを浴び、Eメールチェックしたりしているうちに、10:00からのオーケストラの練習までにはアルコールはすべて抜ける算段です。
 
  管打楽器コンクール参加者も、朝練してたでしょうか?
 
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またもやビンゴー!

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   前回7月6日のビンゴに続いて2か月後の9月5日成田空港某航空会社チェックインカウンター、またもやビンゴが出ました。預け荷物が制限30kgピッタリです。
 
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   はしゃいでまた写真を撮っていましたら、隣のカウンターのお姉さんが、
「この間も30kg丁度だった方ですね。確か音楽をされている。」
「そうなんですよ。覚えていてくださって、どうもありがとうございます。前回断られてしまったのですが、さすがに2回連続っていうのは滅多に起こらないでしょうから、今度こそビンゴ賞をご検討頂けませんか?」 
「ご自宅で量って狙っていらっしゃいますね?」
「ん…。」
   あのー、狙ってもなかなかできるものではないと思いますよ。カレールー、中華のレトルト、お味噌、あさりの缶詰など雑多な日本食料品、それにトランク自体の重さ、いろいろな要素が絡んできますんで…。仮に家庭用の体重計でうまく量れても、はかりが替わると結構誤差が出てくるし、だいたい家庭では100グラム単位まで正確には量れませんからねえ。カウンターで並んでいる間に、急に思いついてシャツを2枚入れたし。非常に稀なるおめでたい偶然なんです。
 
   ここは気力が充実している証ととらえましょう。お蔭様で2011年は私にとりまして当たり年で、6回もヨーロッパと成田を往復します。この気力が充実している時期を大切に、全てのコンサートに全身全霊を傾け、悔いのない演奏をして参ります。
 
   ちなみに今は、11月26日に群馬交響楽団と演奏しますモーツァルトの協奏曲と、来年1月のCD録音の準備に没頭しております。
 
   さて今回のコラムは、飛行機の移動にちなんだ内容です。
 
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半熟茹で卵

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   ルクセンブルクの私達の滞在先、パークプラザホテルの、卵茹で機です。
 
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   金属の取っ手を持ち上げ、卵が丁度おさまる形になっている網に生卵を入れ、そのままお湯に入れます。茹で上がると、手前の白い卵立てに立てたまま、食事用ナイフの握り部分でコンコンとやって割るか、上から1センチくらいを水平にナイフで切り取り、そこからスプーンですくって頂くのが、一般的です。テーブルでゴンゴンとやって割ると、ボーイさんが来てしまうかもしれませんね。
 
   ドイツのホテルの朝食で出てくる茹で卵は、安全上既にしっかり茹でてあり、消しゴムくらい頑丈にかた茹でにしてあることもあります。ここのは、自分の好みのかたさに茹でることが出来ますので、嬉しいです。もっとも、半熟のつもりでいても、仲間との話が楽しく、アッと思った時には既に遅し、ということがほとんどですが・・・。
 
   ドイツに留学したばかりで、ドイツ語もあまり上手く話せずめげることが多かった頃、半熟茹で卵にお醤油をポタリポタリで、本当に救われました。
 
   実は、私は茹で卵よりも目玉焼きの方が好きです。ドイツ語では、「シュピーゲルアイ」と言います。半熟の黄身が、鏡(シュピーゲル)のように光り輝くからなんだそうです。テフロン加工などのフライパンに油もひかず、塩も胡椒も振りかけません。カリカリの白身底面と、半熟の黄身の淡い塩味を、一口でパクリと頂き楽しみます。ニワトリさんが、半熟目玉焼きに合わせて絶妙の塩加減で産んでくれましたので、この時は余計な味付けは不要なのです。
 
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移動中の完璧なドイツ食

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   毎週同じ場所でコンサートをお聞きいただくわけには参りませんから、演奏旅行は演奏家にとって宿命です。演奏旅行中に体調をベストに保つのも仕事のうちであるのに、早朝から列車で移動、到着後もゆっくり食事の時間が取れないことが多く、可能な時に一生懸命栄養豊富で美味しいご馳走を頂いておきます。

  もっとも、毎日決まった時間に食事を頂くことを大切にするなら、旅程に任せるのではなく、日本でしたらお弁当、ドイツなら前日にスーパーで買い込んだソーセージ(冷たいままでも茹でても美味しい)とジャガイモサラダ、そしてビールを車中で、なんていうのも一つの手でしょう。
 
   ご覧ください。
 
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   プリプリで塩味のソーセージを一かじりし、酢が効いたネットリ系のジャガイモサラダをほおばり、ほろ苦いビールを流し込む。この黄金の組合わせ、旨くて何とも言えませーん。 
 
   日本人の昼飯なのに完璧なドイツ食だろう、とドイツ人に見せますと、あまりにも典型的ドイツ食すぎて、大抵、ヤメテクレと言われます。これを和食に置き換えると、塩ジャケ弁当に純米酒の小瓶、といったあたりでしょうか? 最高です。
 
   これでトマトでもかぶりつけば、炭水化物、タンパク質、ビタミンとも、完璧なバランスです。ビールにも、各種ビタミン、ミネラルなどが豊富に含まれているといいますが、呑兵衛の言い訳ですかね。
 
   ドイツはスーパーで買い物をする限り、異常なほど懐にやさしい国で、ソーセージ20本のうち2本、ジャガイモサラダ1キロのうち半分、ペットボトルビール0.5リットルで、200円くらいしかかかりません。経験上、高級な美食を体験しないと良い音楽はできないというのは、根拠が無さそうです。
 
   いづれにしましても、少しでも伸びの良い音、お客様を深い表現の世界へいざなうのに必要な体力精神力を少しでも多く蓄えるためには、食を大切にしなくてはなりません。演奏家が食に拘るのには、こんな理由もあるのです。
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甘海老クリーム

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   1998年、私にとりましてベルリンドイツオペラ最初のシーズンの終わりに、演奏旅行でスウェーデンに参りました。
 
  その際に、パンに塗るチューブ入りたらこバターが気に入り、そればかり頂いていました。何年か前に再びスウェーデンを訪れる機会があり、またスーパーで探しましたら、チューブ入りたらこバターの隣に、なんと生と思しき甘海老の絵が描いてあるチューブが目に入るではありませんか。
 
  以前、雁屋哲さんの「美味しんぼ」に、有り得ない缶詰として刺身の缶詰が登場しましたが、このチューブを絞ると、まさか生の甘海老のすり身がニュルニュルと出てくるのかしら!しまった、わさびとお醤油を持って来るんだったっぺ。そう思いながら、迷わず買いました。
 
  結果は、やはりさすがに生ではありませんでしたが…、しかしこれは旨い!かなり上等の海老クリームスープの味です。写真でも辛うじて確認できますように、海老の身も小さいながらプリップリッと沢山入っています。
 
  一つ買い、ぺロっと舐めてとても美味しかったので、もう一つ買いました。このあたり私とっても単純で、美味しいものに出会うと、途端に幸せになります。次回のスウェーデン旅行でも、絶対にこれを外さないように致しましょう。
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この器一杯のラーメンを食べてみたい

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   この白い器一杯のラーメンを食べてみたい、なんて思ってしまいました。これだけ大量に頂くなら、さっぱり系の塩ラーメンか醤油ラーメンでしょうか?チャーシューやお野菜も大切ですが、やはり肝心の麺が美味しいラーメンがいいですね。
 
   ラーメンって、本当に抗しがたい魅力があるお料理だと思います。一体、こんなに大量に食べてみたいって思うお料理が、ラーメン以外にあるでしょうか?
 
   この洗面所の流しは、ベルリンでかかりつけの歯医者のお手洗いで見つけました。上の写真は大盛りラーメンの器のように見える角度から撮りましたが、上から見るとこうなっています。歯磨き粉と思しきチューブも見えますね。
 
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   ドイツのお手洗いは、一概にとっても清潔です。消臭剤なんていうのは元々汚くて臭うのを誤魔化すための物ですが、この国ではまずお目にかかることがありません。清潔なので必要ないからです。流しも清潔で、こんなおしゃれなタイプの物も見かけます。もっとも、このまま食器として使える程清潔かというと、話は別ですが。
 
   ドイツの健康保険では、半年ごとの歯科検診を推奨しています。かかりつけの歯医者から、もうそろそろですよというお手紙が届くと、電話をして予約を入れて頂きます。健康保険が全額カヴァーしてくれますので、受診料は無料です。健康保険からスタンプ帳を配られ、半年ごとの検診にサボらず出席してスタンプが貯まると、景品などのご褒美も頂けるそうです。
 
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なんと箱買いで1ダース

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   先日3月30日に、日本フィルハーモニー交響楽団と、モーツァルトのオーボエ協奏曲を演奏致しました。指揮は何と宮本文昭さん。はるか昔に私がコンクールで失敗しベソをかいた際、そのコンクールの審査委員だった宮本さんの、「悔しかったらドイツに勉強においで。」というお言葉がきっかけで、ドイツでは散々お世話になったんですよ。以前はオーボエ奏者でありました宮本さんのコンサートに通いCDを聞き漁りましたが、今回は再び昭和の熱き男の素晴らしい音楽性に引き込まれながらの共演、感服いたしました。この作品のとある部分、新しい発見もさせて頂きました。どうもありがとうございました。
 
   コンサート会場は地元さいたま市の大宮ソニックシティーで、片道30分の交通手段は何と自転車でした。マネージャー嬢には爆笑されましたが、なんのなんの、庭ですよこのあたりは。応援してくださる先輩や友人、出身校の南浦和中学校、県立浦和高校の恩師や同窓生が大勢聞きに来てくださり、しかも日本フィルハーモニー交響楽団の一番オーボエ奏者は、芸大同級生の松岡裕雅氏!という幸せなコンサートで、気合も入りました。その上完売でした。
 
   さて私の前回のブログ、「この白い器一杯のラーメンを食てみたい」 http://blogs.yahoo.co.jp/katsuyawatanabeoboe/28592330.html を読んでくれた、浦和高校の同級生の砂盃徹君と薦田公一君とその奥さんが、そんなにラーメンが好きならこれがおススメ、と、このような差し入れをしてくれました。なんと箱買いで1ダース。稀に見るかさばる差し入れでして(笑)、帰りの自転車でエッチラオッチラと運び、早速自宅でベルリン行きバナナ色トランクに入れてみます。
 
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   そしてこちらが、待ちきれずにダンボールを開けてみたところ。日本にいる間に一杯(前列左)、試食もしてしまいました。「日清史上、最高傑作」と豪語しているだけあって、知らずに頂いていたらカップ麺とは気が付かないと思わせるほどの、秀逸なお味でした。この直後に、恐ろしく食べ物の不味いイギリスに演奏旅行があり、そこにも2食(前列中央と右)持参し、とても助けられました。どうもありがとうございました。
 
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   さて、ベルリン行きバナナ色トランクですが、この大きな段ボール箱が大部分空気ということになりますから、丁度好都合とばかりに、前回重すぎて詰め込みを断念して保管してあった醤油味噌の類を中心に荷造りしましたところ、24.5キロになりました。空港で荷物を運ぶ女性職員が増えてきたから、というまことしやかな理由が囁かれていますが、最近はどの航空会社でも預け荷物の制限が23キロポッキリになってしまいました。空のトランクだけで8キロくらいありますから、甚だ迷惑な決定であります。
 
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パンドラの缶詰

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   缶詰のミートソースは、庶民の味、軽食風味と申しますか、あれはあれで私は好きです。スパゲッティ―を茹であれをかけるだけで、そう当たりもはずれもなく、喫茶店のスパゲッティ―ミートソースの味が楽しめます。
  
   ドイツのスーパーにも、缶詰のミートソースはあります。800グラムのかなり大きな缶が、たったの95セント(95円)…。あっ、違いました。よおく見るとトマトソースって書いてありますね。
 
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   これで何皿分でしょうと思うほどの大きさですが、ところがどっこい、実はこの缶詰、ソースだけではなくて何と麺も入っているのです!麺類の缶詰!アルデンテはいったい何処(いずこ)へ?これがアリな訳ですから、ラーメンやうどんの缶詰だって頑張れば夢ではありません。
 
   ドイツに来て21年間、余りに怖くて買えなかったこの恐るべき禁断の缶詰を、今回のブログのために頂いてみることにしました。
 
   缶切り不要の大きなプルトップを、恐る恐る開けます。
 
  
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   うっ、のっけからやられました。5センチほどのブツ切れスパゲッティ―!というより、長さが揃っているあたりから考えると、最初から短いスパゲッティ―を使用しているようです。それに、缶詰のミートソースよりはゆるめながら、スープよりはかなりドロッとした、トマトソース。余りにも想像していたのと景色が違うので、動揺を隠せません。
 
   開けてみようなんていう気を起こさなければよかった…、禁断の缶詰どころか、パンドラの缶詰でしたか?開けてしまいましたので、もうただ前進あるのみ、少しでも美味しく感じられるように、ヴィレロイ・ボッホの小皿に盛りつけます。それを電子レンジで温めて…。
 
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   んん、決して感心できる味ではありませんが、救いようのないほど不味くはありません。麺(もうスパゲッティ―と思っていません。)も柔らかめと思えば、許せるかも…。
 
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 そこで、こういう想定外の非常時のために用意してあった、パルメザンチーズに登場願います。パルミジャーノ・レッジャーノの子分グラナ・パダーノのおろしたのが、ドイツのスーパーでタダ同然の値段で入手できます。これが調味料として大変スグレモノでございまして、これをドバっとかけて混ぜてみると…フフフッ、途端に美味しくなりました。
 
  もう少し進化して、ラーメンやうどんの缶詰が実現するといいですね。
 
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私の心の歌

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   ドイツの名門プロフィルから、オーボエのオリジナル作品を集めたシリーズ3枚目のCDポエムが、発売になりました。日本のキングインターナショナルが輸入し、日本語解説書を製作そして封入し、先日もうお店に並んでいました。こんな顔をしています。
 
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   ちなみにこの湖の写真は、私が撮影したもの・・・、だったら凄いんですが、でも私が選んだものです。最終決定はプロフィルがしますが、演奏者の提案も聞いてくれるって、いいですよね。思い入れのある作品ばかり集めたわけですから、そのイメージも凄く良くわかっていますし。
 
   さてプログラムですが、まずCDタイトルにもなった、ロシアの女流作曲家ドラニシニコヴァ作曲ポエム。ラフマニノフ、あるいはスクリャービンの作品です、と言われたら信じてしまうほどそっくりの、ロマンティックな作風です。オーボエのオリジナル作品の中で、ロマンチック度ナンバーワン確実です。あまり知られていない作品ながら、一度耳にするとしばらく頭から離れない、実に魅力的な作品です。
 
   サン=サーンスのオーボエソナタは、オーボエを演奏する者が皆大好きな作品です。今回のために大切に温めとっておきました。
 
   ベルリンドイツオペラで本家本物のオペラも幾度となく演奏した、ファルグ「魔弾の射手」の主題によるファンタジー。
 
   ボザのファンタジーパストラーレは、学生の頃コンクールの課題曲で、その当時さらいにさらい込みました。思い出深い作品です。
 
   作曲家本人から「私の作品に生命を吹き込んでくれて、私が想定していた以上の演奏をしてくれましたね。」と感謝のお言葉を頂けた、ノルウェー人マドゥセンのソナタ。プロコフィエフやショスタコーヴィッチの作風で、神秘的な魅力にあふれています。
 
   7月28日14時、東京文化会館小ホールにて、CDリリース記念リサイタルを開きます。私の心の歌の世界に、お越しください。詳しくはこちらを・・・。 
 
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   翌日は故郷の鹿島公演。
 
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   さらに、いわき公演。東日本大震災の影響で、会場が避難所になっていましたので、1年延期と待ちに待っての開催です。
 
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   そして、産経新聞のコラム「ベルリン音楽旅行」好評連載中です。
 
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鹿島の3つ星レストラン

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   私は2歳から8歳まで、茨城県鹿島町に住んでおりました。現在は鹿嶋市というのですが、私は「鹿島」の漢字の方が好きですね。1968年鹿島港の開港と同時に、私の父親が勤めていた住友金属和歌山製鉄所から、原野と言っても過言ではなかった当時のこの町に、何千という若い社員が一斉に送り込まれたそうです。住んでいたのは、高天原団地という巨大な団地群でした。
 
   元々この辺りは方言の訛りが結構強い土地ですが、1968年以降の鹿島は、住友金属工業の企業城下町になり転勤族が非常に多くなりましたから、標準語です。悪く言えば人工的、良く言えば非常に発展の勢いのある町でしょうか。その一方で、鹿島神宮をはじめ日本古来の伝統も非常に香り高いです。
 
   4歳の私はこの地で山本公子先生、鈴木メソードの佐藤ケイ子先生に出合い、ピアノを教えて頂きました。7月29日には、この佐藤先生と教室関係者が、私のコンサートを開催してくれました。もう今回で4回目でしょうか。いつも暖かいアットホームな雰囲気の中でのコンサート、本当にどうもありがとうございました。
 
   さてここのコンサートの打ち上げはいつも、先生の生徒さんの垣内由実子さんのラ・プラージュというお店で開かれます。
 
チャーミングな垣内由実子さんのお写真と人物紹介は、ここでどうぞ。
 
でこちらがブログ。 http://laplage.exblog.jp/
 
   ここのお店は、出てくるものが全て美味しくて、美味しい物を食べてもらおうという垣内さんの心意気がよく伝わってきます。ミシュランガイドの調査は鹿島まで来ないですが、来たら間違いなく3星レストランでしょう。
 
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   まずご自慢のチーズプラトー。青かびチーズのスティルトンがレーズンパンにのっているのが、見えますね。チーズとワイン、チーズとブドウ、チーズとレーズン、というのは、お互いの足りないところをピッタリと補う様な、本当に素晴らしい組み合わせです。私個人的には、レーズン、ブドウ、ワインの順番に好きです。友人のテノールの山枡信明さんは、彼のブログでこの3種の組み合わせにつきましてかなりディープに触れていますので、ご参考にお読みください。
 
   それにこのレーズン、よーくご覧頂きますと、枝付きです。手摘み作業後に枝付きのまま乾燥させることで、普通のレーズンよりも甘みが強く残るそうです。ジロールでひらひらに削った羊乳チーズのプティアグールも、目を惹きますね。カリフラワーではありませんよー。
 
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   バジルの葉っぱのジェノヴェーゼパスタは私の大好物ですから、このお料理にはうるさいのですが、ここのが一番美味しいと思います。垣内さんはそれでいつも私にこれを出してくれるのですねえ。ここのは、農家から仕入れた採れたてバジルの葉っぱから作ります。
 
   美味しいシャンパンに、すぐ心地良く酔いが回ってきました。
 
   ラ・プラージュが建っている土地は、今から40年前、私が通っていた鹿島町立第一幼稚園がサツマイモ芋掘りをした畑でした。この幼稚園の岡見信彦園長先生が、今思い出してもとっても素晴らしい方向に教育熱心な方で、園児がサツマイモの苗を植え育て、収穫までやったのです。サツマイモを収穫するときの匂いって好きだったのですが、そんな匂いってあるんでしょうかねえ?小さい頃の記憶ですので、あまりあてになりません。
 
   それ以外にも、冬に乾布摩擦をしたり、宮澤賢治の「雨にも負けず」を暗記したり、お昼のお弁当を順番に園長先生と園長室で頂き、正しい箸の持ち方を教わったりしました。私はそういう鹿島町立第一幼稚園で第一期生だったのです。
 
   当時この幼稚園のの保母さんだった江寺憲子(のりこ)さんが、娘さんが佐藤先生にピアノの手ほどきを受けたご縁で、コンサートのスタッフとしてご尽力くださいました。その娘さんの亜矢子さんは、国立音楽大学卒業後パリ留学を経て、オーボエ奏者として活躍中。このコンサートでは、ピアノの譜めくリストをしてくれました。どうもありがとうございました。 
 
   鹿島町立第一幼稚園園歌は、佐藤ケイ子先生のお亡くなりになったご主人の作曲による、実に優しいメロディーです。
 
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演奏家冥利に尽きます

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 アメリカ合衆国からベルリン拙宅(一応外壁が白いので、白亜の城ということにしておきましょう。)に、郵便が届きました。中身が何なのかは、実はもうわかっているのです。ミゲール・デル・アギーラ作曲オーボエとピアノの為に書かれた「Summer Song」の、リニューアルされたばかりの楽譜です。
 
 アギーラはアメリカ在住のウルグアイ人作曲家で、それはそれは魅力的な作品を紡ぎだす、稀有の才能の持ち主です。何しろ、後述のアメリカ人オーボエ奏者マーク・ワイガー氏演奏による同作品の素晴らしいCDを聞いて、私は一耳惚れしてしまったのです。ウィーンで勉強した人だったので、彼のHPを通じてドイツ語でEメールのやり取りをさせて頂きました。
 
 「実はあのCDのヴァージョンの楽譜はもう無いのです。あの続きを完成させた最終ヴァージョンがあり、絶対こちらの方が良いから、今後はこちらを演奏してください」。その楽譜は手書きのコピーを簡単に綴じただけもので読み辛く大変でしたが、確かにこちらのほうが良いです。
 
 ここまで熱く本格的なオーボエの為の南米のクラッシック音楽というのは他に例がありませんので、貴重であると同時に、お客様にどう受け止められるか少々心配でした。とあるコンサートで、中間部をすっ飛ばして思いっきり縮めたヴァージョンをアンコールで演奏してみましたら、お客様から、「アンコールが一番良かった!」と。嬉しいのか悔しいのか…。すぐに次のCDで録音する決心をしました。
 
 ベルリン・イエスキリスト教会でのレコーディングではいの一番に録音して、とりあえず大まかに編集したものをYouSendItでアギーラに送り、最終日に変更希望箇所を録音し直しました。一所懸命協力してくれて、新たに閃いて作品そのものの変更箇所すら出てきたほどした。
 
 そうして出来上がったCD、そのタイトルも「Summer Song」の2010年リリースをきっかけに、今度は楽譜をきれいに印刷することになりました。私の普段の信条で、速いところは指定のテンポより速く、遅いところはより遅く演奏していたのですが、アギーラが自分指定のテンポよりその方が良いと言って、リニューアル版楽譜は、私のCDからメトロノームで測って変更してくれたそうです。何とも名誉なことではありませんか!
 
 そして、楽譜の表紙を開いたページの前書きに、私の名前とCDタイトルが書かれていました。私が尊敬するマーク・ワイガー氏のCDタイトルと並んで…。
 
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 演奏家冥利に尽きます。
 
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カマンベール・ドゥ・ノルマンディー

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 1年以上前の話で、恐縮です。
 
 パリから来ている、ソリスツ・ヨーロピアンズ・ルクセンブルクのフランス人首席ビオラ奏者のDupouy Jeanが、ビュッフェ形式のホテルの朝食でカマンベールを取らないので、「フランス人の朝食なのに、カマンベール無しっていうのは?」と、からかい気味に聞いてみました。するとこう言うのです。「あそこに並んでいるのはカマンベールではない」。
 
 「本物のカマンベールは、カマンベール・ドゥ・ノルマンディーといって、加熱殺菌されていない牛乳から作られなければならず、味ももっと複雑玄妙なものだ。知らないか?今度持って来てやる」。雁屋哲さんの「美味しんぼ」のストーリーそのものみたいですね。そうして2011年11月5日にパリから持って来てくれたのが、これです。
 
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 Camembert de Normandieと書かれています。2種類持って来て、私に手渡す前の晩にホテルの窓の外で冷やしておいたのが、今朝方どうも騒がしかったと思ったら、1つはカラスに食われてしまった、と破壊された空箱の残骸のほうも見せてくれました。何というグルメなカラス!
 
 こちらが上の写真のケースの裏側です。無事だった方ですね。
 
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 11月25日は賞味期限、彼の鉛筆手書きで11月9日と書いてあるのは、食べ頃で最良の日付けなんだそうです。食べてみて納得。とにかく、今まで食べたことがある軽いカマンベールとは別物で、ずっとえぐくて臭いのです。世界中で普通にカマンベールとして流通しているのは、食べやすく万人向けの、発酵段階が若いものでしょうか?
 
 日本でも臭いタイプの納豆が敬遠され、最近はライトな納豆が席巻してきたように思います。私などは納豆は臭ければ臭いほど好きですが…。本場フランスでは、カマンベールももっと深く発酵させて、どっしりとした複雑玄妙な味を楽しむのでしょう。発酵し続けて変わりゆく味を、楽しんでいるのかもしれません。食べ頃で最良の日付けなんて細かいなあ、と思いましたが、大切な目安なんですね。
 
 カマンベールを千切って、ヨーロッパにある柔らかい皮ごとプチプチと食べられるタイプの種無し葡萄と一緒にほおばり、同時に咀嚼して食べるのが好きです。カマンベールも、100円から150円くらいで手軽に入手できるのです。
 
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美しい桜の細密画

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   新年あけまして、おめでとうございます。皆様のご多幸を、心よりお祈り致しております。
 
   今年もしっかり気合を入れてやって参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 
   早速新春日本3公演、ご紹介させて頂きます。
 
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   ランチは完売しましたが、ディナーの方はまだ僅かながらお席があります。私が頂いた朝食、カレーライス、パスタでの感動から想像しますに(私は演奏に専念しますので、ディナーにはありつけません。)、ここのディナーは恐ろしく美味しいです。都心からいちばん近いリゾートで、日常から脱出できる空間です。http://www.otowanomori.jp/
 
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   モーツァルトとシュトラウスの2大オーボエ協奏曲を一挙に!体力をつけてのぞまなくては。長野県人はとても勉強熱心ですので、楽しみです。松本丸の内病院の関節ご専門の整形外科医で、管楽器奏者の指の諸問題につきましても研究されている、オーボエの縄田昌司さんが、団長さんです。松下功さんとの再会も楽しみ。
 
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   都内にもなかなか無い美しい音響を誇る川口リリアホールで、音楽に造詣の深い岡村幸四郎川口市長さん肝入りのコンサートが実現し、幸せです。精気溢れる岡村幸四郎川口市長さんは高校の先輩ですし、やはり故郷でのコンサートは特別な思いがこもります。荒川を超えて都内からも聞きに来て頂く価値がある濃いコンサート、というのが私の大切なこだわりです。「湘南新宿ラインを川口駅にも停車させよう運動」に対して、赤羽駅からたった2.6キロしか離れていないからといってJRが却下するほど、すぐお隣りですもの。埼玉は近いですよ。
 
   今回の滞在期間中に、下總皖一音楽賞選考、さいたま市ジュニアソロコンテストの1次審査をいたします。お蔭様でこのような審査委員を任されるような年齢になりました。ここまで健康で生きてこれたことに、正月という節目にこそ感謝しなくてはなりません。
 
   それでは故郷の話題をもう一つ…。
 
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   こちらがこのコンサートのチラシ。美しい桜の細密画は、植物学者牧野富太郎博士の愛弟子だった、川崎哲也先生の作です。
 
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   心に残る同窓会コンサートでした。まだ連絡の取れていない浦和市中学校吹奏楽連盟ご出身のの同窓生が、大勢います。このブログを読まれましたら、こちらから http://www.katsuyawatanabe.com/jp/contact.html 是非ご連絡ください。
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